第8章1
「マドカさん、空き瓶片づけますよ」「うにゃあ」
「じゃあ、行ってきますね」「ぽひょお」
「もぅーん(じゃあね、マドカ)」
「ほぉおん(紅葉さんも酔っ払い語が解るんですか)」
のんべえたち。
拘ったのはやっぱり砂犬族のマルセルきゅんです。
砂漠地帯に住む犬として有名な犬種といえば「サルーキ」。マルセルきゅんの尻尾もサルーキのように細めでちょいボサボサです。
でも、耳や頭はシーズーやマルチーズなどの丸っこい犬種を参考に描きました。ああいう耳と毛が一体になった感じって不思議ですよね。耳の形状が毛で隠れるほどの動物は本当に犬くらいしか居ないのでは?🤔
人間と共に生きた所以でしょうか。
雲はこちらの「100 Cloud Brushes」を使用しました。ぽんぽん置くだけで美しい雲ができるのでお薦めです。
著:タムシン・ピッケラル
この本、なぜか母親が「美しい猫なら分かるけど、美しい犬って普通言わなくない?」とdisってきたことを思い出します。なんでや、犬も美しいやろ!
こちらの本は写真重視なので、図鑑としては少々物足りないかも知れませんが、美しい犬の写真がたくさん載っています。表紙のサルーキが美しいですよね。
第8章【Botticelli】ボティッチェリ1
3月9日、水曜日のお昼どき。 サウザスは昨日、事件が起きたとは思えないほど、活気ある町に戻っていた。 特に役場の前がすごく混んでいる。建物にはまだ入れないけど、職員が玄関先に机を出して、書類の届 ...
第8章2
「いっけないんだ、いけないんだ!母ちゃんに言ってやろ!」
「ボルツ、この事は忘れるのよ。お姉ちゃんが良い物あげるわ」
「忘れるもんかー、いいモンってなんだよ!……ッ、グー……」
「フッ。母さんの一番きつい香水、効くわね」
スパイ紅葉回😎✨
明暗対比がうまく描けたかなと思います。
前回の普段着とはうって変わって、エマがおめかししています。ヴィクトリア朝風の訪問着です。彼女は手袋をしているのですが、私の描き方のせいで太ましい指になってしまい申し訳ないです🙄
第8章【Botticelli】ボティッチェリ2
「とりあえずここから出ましょう」 砂犬族の新米警備員マルセルは、マドカの散らかしたゴミを片付けて別れの挨拶をし、紅葉とともにその場を後にした。 マドカはあのまま突っ伏してベンチに寝ている。紅葉は、 ...
第8章3
「……あの子はなんて子なんですか?」
「さあね、名前は知らない。彼女は喋らないからね」
「いずれ有名なパフォーマーになるんでしょうか」
「サインくらい貰っておこうか」
今までの挿絵史上、もっとも時間がかかった挿絵です。
昔からこういう感じの絵を描いてきたので、描いていて大変楽しかったです。
こちらのページ(アメブロ)に載っているインドのスラム街を参考に描きました。あちこちに洗濯物や毛布がある感じが好きです。
登場する人形は、前回紹介した「ヴィクトリア朝の女性と暮らし」の80ページに載っている、パンチ&ジュディショーという人形ショーです。Wikipediaに詳しく載っています。
このような滑稽劇で、17世紀から19世紀にかけて流行ったそうです。昔はもっとエロチシズムやグロテスク要素がありましたが、現代上演されているのはかなりマイルドになっています。巻鹿族の彼女はどんな劇を演じているんでしょうね。
著:川端有子
英国ヴィクトリア朝時代の庶民の女性たちと暮らしの様子を紹介しています。大人の女性以外でも、当時の一般庶民や子供の暮らしぶりが詳しく語られています。大事なことなので2回言いました。
こちらの本はもうほんと、細かい色々なトピックが載っているのでお薦めです。
第8章【Botticelli】ボティッチェリ3
紅葉が鍛冶屋トールの裏口から飛び出して5分後。 「ふんふんふ、フーン♪」 メモを取りつつ意気揚々と出てきたアーサーを、紅葉は後ろから羽交い締めにして捕まえた。 「痛てててて……おやおや、どうした怖 ...