第6章の絵

第6章1

「アップルパイって、どうして上が編みあみになってるのかしら?」
「昔は魚のパイだったんだ。あみは魚取りの網を表してたのさ」
「へー、それを林檎のパイでも作るようになったのね。知らなかったわ!」
「今オレが思いついた」「ふざけないで!お兄ちゃんのバカ!」

- 裏話 -

コリン駅長の時と同様、絵ハガキサイズ回です。
鍛冶屋トール一家登場。実はリュカとフレヤの間に妹があと2人います。

ちなみにアップルパイの編みあみは、オランダ由来の伝統的な形状のようです。粒状のアップルパイとともに古くから作られており、粒状のアップルパイはクラムスタイル、編みあみはラティススタイルというそうです。(Wikipedia

家の中の木細工はオスカーが子供の頃に彫り付けたものが多いです。店にもあった螺旋階段が特徴ですね。リュカ母のエマのビジュアルは中世ヨーロッパの女性の服を参考に描きました。

少し前の記事でも書きましたが、昔は帽子の種類が本当に豊富で、どの地域のどの時代の人も、外出時や室内問わず何らかの帽子や布を被ってたんですよね。
理由は「洗髪が頻繁にできないので汚れ防止」「宗教上、仕事上の理由」「異性の誘惑防止」などだと思います。【星の魔術大綱】でも、もう少し室内でも日常的に帽子を被らせてもいいのかもしれません。とはいえ角とか耳とかの問題がありますが🦒

オスカーのビジュアルは下記の本に出てくるおじさんたちを参考に描きました。立派なおひげだらけ。コリン駅長のビジュアルもこの本を参考にしています。

 

著:石井理恵子
英国の鉄道員の方の紹介本です。立派な駅長から車掌、年季の入った整備士、フレッシュな駅員さんから高級列車の執事のような給仕さんまで揃ってます!
こちらの本は新紀元社の制服・衣装ブックスというシリーズで、どれも豊富なトピックと素敵な写真ばかりでお薦めです。

第6章【Momiji】紅葉1

[意味] 晩秋、木の葉が赤色や黄色に変化すること。 ムクロジ科カエデ属の落葉高木の総称。英語で「maple」 鹿肉の俗称。 [補足] 日本語の動詞「もみず(木の葉が色づく)」が名詞化したもの。古くは「 ...

 

第6章2

「あっらー、こりゃエライこと引きちぎれてとるがな」
「洗面台は今日中に直るかね?」
「いっそ変えてみるかい。これなんかガラス鉢に金魚が描かれてるんだ」
「ほほう!美しいねえ…」「これ600ドミーもしますよ社長、却下です」

- 裏話 -

新聞社回です。かなり何度も書き直しました。
書き直すごとにふたりの顔がどんどん顔が怖くなっちゃった🥺

ドアの位置が紅葉に対して斜めなのは、実は最初に描いたとき、手前側を向いていたんですね。紅葉はドアと平行で洗面台を握っていました。
ただ、これだと紅葉の苦悩がうまく表現できなかったので、洗面台を目立たせるのをやめて、位置を背面にして、鏡を見る形に変更しました。

新たに鏡のデザインをする必要ができ、最初はごく一般的な鏡を書こうとしていたのですが、ちょうど当時プレイしていた「バイオショック」のアールデコ様式に衝撃をうけて、この絵もアールデコっぽいデザイン鏡にしました。上にちらりと描かれているのは水の神様です。

 

製作:2K GAMES
海底都市ラプチャーを巡る生き残りゾンビホラーバトル。一面アールデコを基調とした美術と世界観が素晴らしいです。ゲーム性と長さもちょうどよくて面白い。
こちらのゲームは普及の名作ですね。王道のバトルに、ワクワクするアイテム、美しいアートに魅力的なキャラとすべて揃っています。窓の外が一面海なのがたまりませんでした。

第6章【Momiji】紅葉2

 3月8日午後8時。市場から出前が届いた。  皆で新聞が積まれた机を囲み、黙々とヌードルをすすった。 「……ちょっと辛いわね。スパイス効きすぎ」 「そうかい? これが美味しいんじゃないか」  モイラは ...

 

第6章3

「んでさあ、リュカがまたアップルパイ作ったんだけどー」
「………」(うん)
「なんと魚の切り身も入ってたんだよ!なんでそんなん入れるかねえ」
「………?」(おいしいのかな)

- 裏話 -

ショーンと紅葉の幼馴染っぽい回。昔はこんなに可愛かった……。

ザ☆少女漫画ですよ。キラキラは昔のデジタルトーンをひっぱりだしてきました。こちらのサイトで購入しました。(デジタルトーンスタジオ
カケアミはまだBOOTHもなかった頃にPixivで配布されていたものです。カケアミって物によって描かれ方が違うので、この角度はお気に入りです。

ショーンの服の文様は、ルネサンス期の装飾を参考にしています。文様あこがれるけど難しい。文様職人さん本当に尊敬します。

 

原著:H・ドルメッチュ
「民族衣装」と同様、元は分厚い本をマール社がコンパクトにぎゅっとまとめた本です。
こちらの本は古代ローマやエジプトからペルシャビサンチンゴシックなど、特にルネサンスが詳しいです。壁画、装丁、刺繍、ガラスなど何種類も文様がありキルトのような紹介本です。

第6章【Momiji】紅葉3

 何度も、色の洪水が襲ってきた。  丸い色の塊が、ふわふわと網膜の裏を流れ、  チカチカと光が点滅し、水がゴウゴウと流れる音がした。  うっすらと「本物の」光が頰に当たる。  本物の光は、熱量がある。 ...

 

photo Agnes by Adobe Stock