第5章1
「先生のお名前、難しかったな。リュカはうまく書けたのか?」
「まさか! ビスキュイ(biscuit)ならうまく書けた」
「Uを落っことしてる(upset)じゃないか」
小学校回です。
もともと普通の白い絵だったのですが、吉田誠治さんのイラスト添削講座を見て、明暗のいれ方に力を入れて影の表現を作ってみました。かなり神々しくなりましたね。
昔はライトも明るくないし、天気の悪い日などは、教室で授業を受けるのは大変だったと思います。教室や生徒の様子は、下記の資料を参考にしました。
このイラストを描いていた当時、アメリカのオクラホマの学校で100年前の黒板が見つかり(参考 GIGAZINE)さっそく取り入れてみました。上の円盤の数字です。どういう計算方法なんでしょうね?
100年前のチョークの色がしっかりカラフルで驚きました。
著:川端有子
英国ヴィクトリア朝時代の庶民の女性たちと暮らしの様子を紹介しています。大人の女性以外でも、当時の一般庶民や子供の暮らしぶりが詳しく語られています。
こちらの本は写真もイラストも豊富で、特に子供や小学校の様子がかなり詳細なのでとても参考になりました。
第5章【Ubiquitous】ユビキタス1
[意味] 遍在する。同時にあらゆる場所に存在すること。 神があまねく場所に存在すること。 [補足] ラテン語「ubique(遍在する)」に由来する。1989年に米ゼロックス社のマーク・ワイザー氏が『コ ...
第5章2
「ショーン何だ、目がスゲー光ってるぞ!」
「ああ、庭にいる人間を見るのに…」
「持病か?!」
「違う」
クラウディオ爆誕回です。ショーンとアントンの表情が気に入ってます。
ショーンの真鍮眼鏡はいつもアイヴィー装飾が隠れてしまうため、クラウディオのはしっかり見えるように描きました。🐖豚の尻尾が丸まっているのは、筋肉の低下によるもので、野生の猪はピンと立っているようですね。
町長室の窓枠をゴージャスめに描きました。窓枠の装飾ってちゃんと各部位に名前があって、例えば上部の三角の切妻部分が「ペディメント」といい、こういう三角形の場合「テュンパノン」、また下部の渦巻き装飾は「コンソール」といいます。
下記の本で学びました。こういう各部の名前や役割がちゃんと分かると、絵にも説得力が生まれるし、何より楽しいですね。
製作:オーウェン・ホプキンス
ギリシャ神殿からはじまり、現代までの様々な建築の設計図、見取り図、写真を紹介しています。ネットにも載ってないようなマニアックな部位がズラリと明記されているので、イラストでも小説でもかなり役に立ちます。
こちらの本で参考にした窓の部位はp120にあります。
第5章【Ubiquitous】ユビキタス2
アントンはしばらくメソメソし、時々グシュンと持参の毛布で鼻をかんでいた。(おそらくショーン用の毛布だった。) 「まあ……僕も拘束されてるようなもんだし、ただの事情聴取だって」 「………ヒック……グス ...
第5章3
「紅葉さん、ミントコーヒーのお替りはいかがかな?」
「あ、ハイ。頂きます。目が冴えますね」
「スッキリするだろう。これを飲めば何徹夜も何連勤も可能だよ」
「……飲み過ぎないでくださいね」
新聞社回です。マグカップのガーゴイルがお気に入りです。
サウザス出版社のロゴですね。1個欲しい。
Designカットで入手した「Vintage Engraver」というトーンを買ったばかりだったので使いまくってます。リンク先はprocreate版ですが、フォトショ版もあります。こういう版画の雰囲気、新聞社にとても合ってるので楽しいです。
このイラストは特に参考とかはないんですが、ガーゴイルといえばパリなので、パリのお気に入りの本をひとつ下にご紹介します。
この本に出てくる料理は、どれもシンプルかつオシャレで美味しそうで、作り人のほとんどが料理人ではない普通のパリ市民です。料理だけでなく彼らのインタビューも載っていて、作り手ごと好きになる本です。【星の魔術大綱】内に登場する料理にも、かなり反映されています。
第5章【Ubiquitous】ユビキタス3
ショーンは己の【真鍮眼鏡アイヴィー・ヴァイン】を耳から外して、クラウディオに手渡した。 彼は自分の四角い眼鏡を外し、代わりにショーンの眼鏡をカチャリとかけた。ショーンの丸い形の眼鏡は、面長の彼にあ ...
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