第11章1
「ナタリー。ターナーさんにはお茶を用意するんだ」
「いつものミントコーヒーじゃなくっていいんデスか」
「彼はファンロンのお茶好きで知られる。好物を出すのが鉄則だ」
「そんな高級茶ここにないんで、代わりに藁麦茶でいいデスか?」
────邂逅────
横が普段の絵の2倍あります。
時間も2倍以上かかってますが、WEB媒体は縦が基本だからでっかく表示できないよぉぉふえぇ…な感じです。
ショーンの後ろにあるストーブは、ヴィクトリア朝オーブンなのですが、どうみてもそこにあると飛び火するし煤で大変なことになるので、『オーブン風電化製品』という設定にしました。これぞナーロッパや。オーブンの上にあるのはラヴァ州の地図です。
オーブンの左隣にある棚は、ミントコーヒー缶などが詰まってます。元は下記の参考書籍のイラストで、大型のディスクオルゴールです。楽天で似ているのが400マンで売ってました。ヒエッ。作中では「録音機を購入した際にセットでついてきたレコード用の棚」であり、レコードは全部保管室にあるので、普通の食器棚に使用しているという設定です。
モイラ室長のデスクの装飾は家にある箱根の寄木細工を参考に描きました。初稿段階では電線等はなかったのですが、オサレなカッフェ風ライトに憧れてる時期だったので、あちこちライトを書き足すうちにこんな感じに。でもライト無しVERの方が────邂逅────感が出たかなと思います。
著:CAROL BELANGER GRAFTON
もはやいつもの、という感じですが、本当に分量も種類も多く、ありがたいのでお薦めです。
こちらの本のp.58「Music」のコーナーに参考元のオルゴールが描かれています。本来は横にハンドルがついています。クラシック一曲分聞けたりするんでしょうか。書斎みたいなところでゆっくり聴きたいですね。
第11章【Black Maria】ブラック・マリア1
[意味]・囚人護送車の俗称。・スペードのクイーン。またはその札を主役にしたトランプゲーム。 [補足]囚人護送車は「police van」「paddy wagon」といった一般的な名称のほかに、ブラック ...
第11章2
「エミリオ、屋根裏の居心地はどうだ。問題ないか?」
「問題ないよ、兄さん」
「欲しい本はないか、今人気の推理小説があるらしいぞ」
「今度新しい服を作ってやろう。仕立て屋を呼ばねば」
「何か食べたいものはあるか。スパゲッティはどうだ、美味いぞ」
「酒も注文しよう。蠍酒がいいんじゃないか。とびっきりの精が付くぞ」
「ありがとう、もういいよ。兄さんたち」
末弟エミリオ登場。
ゾクッとする雰囲気を目指しました。脚だけでなく尻尾も動かないのでダラリと垂れ下がっています。後ろのポスターは寮やスポーツチームみたいな雰囲気で描きました。酒瓶が多いですね。よく飲んでいるんだと思います。
これは参考元の作品があって、『ふしぎな木の実の料理法』という作品です。トワイエさんという小説家のキャラが屋根裏部屋のおうちに住んでいて、めちゃくちゃ憧れて描きました。トワイエさんは、もちろんエミリオと違って普通に生活して暮らしています。
屋根裏でコッソリ暮らしてた、という設定の元になっているのは昔テレビで見た実際の事件です。1900年代初頭、17歳の少年に一目惚れした社長夫人が、少年を連れ込み屋根裏に住まわせるのです。で、そのまま夫にバレず20年近くすごし、その間に愛人は作家デビューして賞を取ったり、何回も引っ越ししたりしましたが、ついに夫にバレ、2人は夫を銃殺してしまいます。彼女はワルバーガ・エステルライヒという婦人で、この話は映画になりました。(英語版 Wikipedia)(日本語説明 殺人博物館)
著:岡田淳
ある日ひとり暮らしのスキッパーのもとにふしぎな木の実が送られた所から始まるお話。児童文学「こそあどの森シリーズ」の第一作です。森の住民たちは船やヤカン、屋根裏、貝殻の家などに住んでいるのに憧れました。
こちらの本の、作者の岡田淳さんは1人で小説と挿絵を手がけられていて、私が最も影響を受けた作家さんの1人です。ワクワクするような世界観や不思議な物語性など多大な影響を受けて【星の魔術大綱】を制作しています。
第11章【Black Maria】ブラック・マリア2
多くの飲食店が休日をとる水曜日、レストラン『ボティッチェリ』はなぜか煌々と明かりが点いていた。 「もう終わりだ、みんな。出頭すべきだ」 「バカを言うな、ピエトロ。町長はもう居ない、バレる可能性は低い ...
第11章3
「ねえ、あなた。やっぱり食糧持たせた方が良かったんじゃないかしら」
「州警察に差し入れか? 必要ないだろう」
「違うわよ、もし紅葉が道に迷ったり森に迷い込んだりしたら!」
「問題ない、ショーンがお菓子を持ってるはずだ」
紅葉覚醒回。
背後に門やサウザス町の後景も書きたかったのですが、しっくり来なかったので紅葉とギャリバーだけにしました。第2章1との違いが感じられればいいかなと思います。
ギャリバーの設定に当たって、バイクについて色々調べました。カタログとか仕組みなどの解説本などを読んだ中で、このバイクのメンテナンス本が一番印象に残っていたのでご紹介します。
著:太田潤
バイクのメンテと洗車方法の解説本です。全面カラーで分解して紹介されているので構造がよくわかりますしパーツの写真が非常に綺麗なので、イラストの参考としても使いやすいです。
こちらの本で特に印象に残ったものはp.186です。バイクが完全に壊れてから店に持ち込む人が多いが、費用も時間もかかり大変なので、日頃からメンテして早めに相談すれば安価ですぐ治るしお薦めです、と。何にでも言える至言ですね。
第11章【Black Maria】ブラック・マリア3
「クソッ、こういう時って何が必要なんだ……!」 学校では教えてくれなかった。下宿の自室をひっくり返し、必要と思われる荷物を片っ端から鞄に入れた。 サッチェル鞄の中には、財布、手拭い、酔い止め、お菓 ...