第4章の絵

第4章1

「あーもう、すっかり尻尾が蒸れちゃった」
「白衣だと仕舞わなきゃいけないの? 尻尾が大きい人はどうしてるんだろ」
「蟻食族の先生は大きな尻尾袋にしまっていたぞ」
「じゃあ金鰐族くらい大きかったら?」「知らない。町長に聞けよ」

- 裏話 -

事件発生回。
紅葉の靴下のアーガイル模様がお気に入りです。

ワニの尻尾を描くのが本当に大変でした。なぜか水彩っぽい絵柄になりました。
これを描いている時にワニを捌く動画を見つけて、鱗や内部の構造に肉の様子など大変参考になりました。刺激が強いのでリンクを貼れませんが、Youtube検索で「ワニ さばく」ですぐに出てきますので興味がある方はどうぞ。

最下部の英文の詩は
「不思議の国のアリス」に登場するワニの詩の一部です。第2章の「涙の池」で、自分がおかしくなってないか確認のため暗唱するシーンで登場します。オーガスタスの金鰐族はこの詩がモデルです。ネットで読める対訳「不思議の国のアリス」

著:ルイス・キャロル
説明不要の児童文学の金字塔作です。子供にとってはわくわくする児童ファンタジーでありながら、大人にとっては頭がうなるナンセンス文学の極致。私アリスの本は家に訳者別に何十冊もあるくらい一家言ありまして、いつかまとめてご紹介したいなと思います。
こちらの本はKindle Unlimited版もある、訳者:河合 祥一郎版の不思議の国のアリスです。

第4話【Gargoyle】ガーゴイル1

[意味] 元は、雨樋の排水口に装飾された怪物を意味する。 [補足] ラテン語「gurgulio(喉)」に由来する。古代より、排水口を装飾する文化が存在し、主にライオンや魚の石像が使われていた。12世紀 ...

 

第4章2

「オッズさん、この曲なんていうの?」
「サウザスに伝わる子守唄だ、題名は特にない。知らないのか?」
「たまに病院で聞こえてきたけど……そっか子守唄だったんだ」
「聞き覚えがないなら、紅葉はサウザス出身じゃないのかもな」「うん」

- 裏話 -

オッズええ感じ。
酒場ラタ・タッタのモデルは、ゲーム「レッド・デッド・リデンプション2」に登場するバレンタインの酒場です。2階が吹き抜けで回廊があり奥に売春部屋もある酒場にすごく影響をうけて、ラタ・タッタの構造がこうなりました。内装はウェスタン系酒場の写真を参考にそれっぽく。

手前の女性の服はペルシャ風の服です。
牛族の女性に一番合う服をと思って、下記の本から探したら一番しっくりきました。

製作:ロックスター・ゲームス
西武開拓時代の架空のアメリカを舞台にしたギャングの抗争をめぐるゲームです。激しいドンパチ戦と銃撃時の挙動は、実際に生きているような拍動が伝わってきます。
こちらのゲームはとくかく西部開拓時代の風景がすごいです。操作感は引っ張られる感じで独特ですが、馬の騎乗時のリアリティがすごい。ストーリーを追うのもよし。狩猟をしながらあちこち散歩するのもよし。

原著:オーギュスト・ラシネ
元は全6巻からなる民族衣装本をマール社がチョイスしてぎゅっとミニサイズにまとめた本です。
こちらの本のp.130のペルシャの女性の衣装と雰囲気から参考にしました。ヨーロッパとアルジェリア・トルコ・インドが載っています。服はもちろんのこと被り物の種類がすごく豊富で、500人のうち1つとして同じものがなく様々な形状の帽子やターバンが見れます。

第4話【Gargoyle】ガーゴイル2

 あれから机に突っ伏した後、緊張と不安のまま眠り込んでしまった紅葉は、お昼をとうに過ぎた3時半に、警察官に起こされた。  想定通り、10年前の事件について質問されたが、何も知らないと正直に伝えた。予想 ...

 

第4章3

「この新聞、どっから持ってきたんだ?」
「今日は役場にいくらでもあるわよ。それは玄関脇に落ちてたやつ」
「何で落ちてたやつ持ってくるんだ、ますます食いたくなくなるだろ!」
「そっちの方が怪しまれないでしょ」

- 裏話 -

マドカ現る。
実は挿絵の中で最もお気に入りです。
ショーンの嫌そうな顔とマドカのとぼけた顔がお気に入り。

後ろの額縁の動物はヤギです🐐 アイベックスでしょうか。DesignCutの有料素材ヴィンテージコレクションのヤギをトレースしました。この有料素材は39ドル(他にも買えばなんと半額!)で1000の動植物と器物のアンティークカット。32の紙種にその他盛りだくさんと超お得な有料素材でお薦めです。

バター付きパンは「鏡の国のアリス」の第3章「鏡の国の昆虫たち」に登場するバター付きパン蝶をイメージしています。原作の蝶は、薄くスライスしたパンの羽根なのですが、ディズニー版「ふしぎの国のアリス」の蝶の方が好きなので、そちらを元に描きました。ハートみたいで可愛い。ネットで読める対訳「鏡の国のアリス」

著:ルイス・キャロル
不思議の国のアリスの2作目の作品です。不思議より格段に言葉遊びの難易度が上がっているため、この作品を分かりやすく訳出するのはかなり難しいです。ストーリーの面白さは不思議の方が高いのですが、印象的な名言やキャラは鏡の方が多い気がします。
こちらの本はKindle Unlimited版もある訳者:河合 祥一郎版の鏡の国のアリスです。

第4話【Gargoyle】ガーゴイル3

「モイラ君、町長事件はどうなったかね?」  サウザス出版社の社長ジョゼフが、丸眼鏡をクイっとさせて、社内の奥にいる新聞室長に状況を尋ねた。  新聞室の室長モイラは、記事の原稿をチェックしながら冷徹に答 ...

 

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