第7章1
「さっき市場で真鍮眼鏡(アーヴィー・ヴァイン)の眼鏡が売ってたよ」
「ええっ、法律違反だよ。取り締まりの対象だぞ」
「眼鏡のツルに蔦の葉(アーヴィー・ヴァイン)が巻き付いてたの」
「蔦って……本物の?」「ほんものの」
真鍮眼鏡回です。こういう説明画は初めてですね。
ショーンの真鍮眼鏡は実はかなり細かい装飾が施されているのですが、なかなか(特にモノクロだと)表現ができてなかったので、今回詳しく説明できてよかったです。
美しいフォントは「こころ明朝」を縦に引き伸ばしたのをトレスして描きました。
真鍮眼鏡と同時に、謎多きショーンの羊耳も紹介しました。子供の頃はちゃんと耳が見えてるのに、成人後は無いぞ、どしたん。って感じだったのですが、ちゃんと付いてます。
ここで説明しとかないと、しばらく機会がなさそうなので、この絵で披露しました。羊耳って三角チョコパイみたいで可愛いですよね。
以下の本は私の大好きな羊本です。羊本はいくつか持っているのですが、一冊選ぶとしたらこれが一番お薦めです。
著:佐々倉実・裕美
日本各地のひつじ牧場を巡って撮影した羊愛の詰まった本です。
こちらの本は牧場で飼われてる羊の写真はもちろん、生態や歴史、飼育、羊毛に関する情報も豊富で、ページの薄さと写真の多さからと比べてかなり情報量が多く、お薦めです。なんと映像化もされてるようです「ひつじがすき 日本のひつじ牧場」(アマプラ版)
第7章【Ivy Vine】アイビー・ヴァイン1
[意味] ・蔦のツル。 ・ルドモンドにおけるアルバが所持する【真鍮眼鏡】のこと。 [補足] Ivyは蔦、またはウコギ科キヅタ属の総称「木蔦」。Vineは蔓、またはブドウ科ツタ属の総称「蔦」を意味する。 ...
第7章2
「モイラ君、紅葉さんが洗面台のお金を持ってきてくれたよ!」
「そうですか」
「ど、どうだろう……この機に金魚のガラス製にするのは……」
「やるならポケットマネーでやりなさい」
午前中の出来事を漫画形式にした挿絵です。
かなりお気に入りです!
うまくコマを配置できたな!と思います。
モイラ様の( ゚∀゚)o彡゜おみ足おみ足!
私は一枚絵よりかはこういう漫画っぽい構図の方が得意なので、漫画っぽい挿絵もこれからバシバシ描いていきたいです。
タイプライターの参考にしたのは「タイピスト!」という映画ですね。1950年代フランスを舞台にした、ドジなヒロインがタイピストの大会を優勝目指す映画です。
この映画に登場するタイプはなんと実際に当時使われていたタイプだとか。全編にわたってマカロンみたいに可愛い映像で、努力・根性・勝利の三拍子そろった最高の映画です。ただ唯一ヒロインのおっぺえは見たくなかった。
第7章【Ivy Vine】アイビー・ヴァイン2
3月8日地曜日ちようび、時刻は午後11時を過ぎていた。 半日ぶりに荷物を戻されたショーンは、サッチェル鞄を肩へ担いだ。 警察と警備に取り巻かれ、役場の正面玄関の扉から出ると、まばらな野次馬たちの ...
第7章3
「書斎に誰か来たらどうする? ショーン」
「適当なことを言って追い出してくれ、アントン」
「本棚に秘密部屋の入口が見つかったって言えばいいかなぁ!?」
「それはダメだ、集まっちゃうだろ!」
驚愕するショーンと格好いいアントン。
院長の書斎です。こっちの裏側ですね。
こういう書斎に憧れつつ書きました。
マニアックなところでいうと、左上の額縁が厚みシッカリめに描けたかなと思ってます。逆にドア部分はちょっとシンプルすぎましたね。
後ろのチェスト上部はドレッサー兼ねてて鏡が入っているんですが、ヴィクトルの背丈だと使いづらいため、常に閉めっぱなしになっています。( ´v`)
調度品の雰囲気はこちらの本を参考にしました。
著:CAROL BELANGER GRAFTON
英国ヴィクトリア朝時代のグッズを細やかなペン画でまとめた本です。大き目の家具から文房具、調理具、化粧品、拳銃などなど。
こちらの本は54種の道具に2300ものイラストが描かれ、今は亡き当時の美しいデザイン用具が盛りだくさんです。
第7章【Ivy Vine】アイビー・ヴァイン3
「いかがかね、ショーン君!最近のご活躍は!」 「……はぁ」 こんなの聞いてない。 役場に出向いたショーンは、州警によってすぐ別室へと通された。ブーリン警部の片腕らしき狼刑事に、事件の報告書を見せて ...
photo David Klein by Unsplash