第2章1
「郵便局で何するの?」「郵便局なら荷物を送るに決まってるじゃないか」
「切手を買うとかハガキを買うとかあるじゃない」「市場でも買えるだろ」
「甘いよッ、アイドルの限定切手は郵便局にしか売ってないんだよっ!」
「いきなり鼻息荒くするなよ」
ギャリバー登場絵です。
最初は画風が固まってなかったので、もっとアメコミみたいな感じで描いていたのですが、その後画風が今の感じで固まったので全面的に描き直しました。
「ドドドド……」の書き文字に少しアメコミ風味が残ってます。
場所は酒場ラタ・タッタの正面に止まっているイメージしています。本当は、女将さんが畑をいじってる庭のところに止めてても良かったのですが、建物が描きたかったのでこの位置になりました。
正面の不動産屋は第8章に出てくるキャラの実家という裏設定があったのですが、紅葉が彼を知らないのは不自然だったのでボツに。
ヘルメットが定まらないショーンの顔がお気に入り。
下記の本は建物の参考書籍です。
第2章【Thousas】サウザス1
[意味] ルドモンド大陸のラヴァ州北東部にある地区の名称。 [補足] 昔、この地区の鉱山で働く者は、総理事ブライアン・ハリーハウゼンによって、同じ型の肩下げ鞄「Satchelサッチェル」が支給されてい ...
第2章2
「マカロン、これでお出ししましょうか」「ダメだ、数が少なすぎる」
「ですが既に山もりですよ!?」「もっとだ、もっとどっさり出すんだ!」
「でもこんな……食べきれるでしょうか?」
「いいんだ、ショーン様は必ずお持ち帰りなさる」
銀行のドーム天井がお気に入りです。
モデルはディズニーシーのフォートレス・エクスプロレーション(公式サイト)です。ランドのスイスファミリー・ツリーハウス(公式サイト)もそうですが、この手の施設が好きです。プラネタリウム自体も好きなのですが、それより「プラネタリウムっぽい書斎」が一番憧れます。
ドームの星座を書くのが何より大変だったわけですが、星座は19世紀に作られたバリットの星図を参考に描きました。
バリット星図はこちらのサイト David Rumsey Map Collectionというスタンフォード大学の図書館収蔵のマップコレクションサイトに、全体の星図があったので参考にしました。このサイトは本当にすごくて、何万何千の地図や天球図が見放題でダウンロードもできます。
この絵は星座を始め、色々な資料にお世話になりました。中でも山盛りマカロンは、ある紅茶の歴史の資料からアイディアを頂いたのですが——本が見つからなくて捜索中です。見つかったら書きます。
とりあえず、星座の資料を紹介します。
著:沼澤茂美・脇屋奈々代
美しいオシャレ装丁ですが、中身もばっちりオシャレなので、ジャケ買いしてもビックリしません。
こちらの本は、星座絵と星座神話を中心に、一つ一つ紹介しています。ヘベリウス、バリット、ボーデなど何種類もの星座絵が掲載されてます。丁寧な神話紹介はもちろん「紀元前1900年頃のバビロニアでは、紀元前1200年前のギリシャでは」など時間軸をしっかりめに紹介しているので、当時の様子を知りたい方にもお薦めです。
第2章【Thousas】サウザス2
今日は3月7日火曜日ひようび。 時刻は昼の11時を過ぎたとこ。 「じゃあねー」 目的地でショーンを降ろした紅葉は、ギャリバーに乗ってドコドコと消えていった。ショーンは、土埃がついた服をパタパタ払 ...
第2章3
「旦那ぁ、計算かい。大変そうだな。そろばんでもいるかい?」
「要らないよ、金取るんだろ」「ヘヘッ、たった10ドミーで貸しますぜ」
「うるさいな、どっかいけよ──ああっ、分からなくなったじゃないか!」
「旦那、その10の位の数、間違ってるぜぃ」
市場の絵です。
このイラストで、初めて満足いくショーンの全身図が描けました。
ショーンの人間性が全面に出てる絵です。
異国の市場って憧れますよね。
序盤にあまり変わった食べ物を出すと何が何だか分からなくなるので、現実にもありそうな野菜たちの描写になりましたが、話が進んだらもっとファンタジー世界らしい色んな食べ物を出していきたいです。
唯一わりとファンタジー要素な、森栗鼠族のキノコ屋の、でかいキノコの原木が気に入ってます。
第2章【Thousas】サウザス3
「はあ……銀行なんて行くんじゃなかった」 ショーンは恐ろしい空間から解放されて、ガックリと机に突っ伏した。黄金のお宝が沈むナイルの川底に、石で縛られ沈められたかのようだった。 「そうだ、次に行く時は ...
photo Beth Macdonald by Unsplash